grub.conf

/etc/grub.conf

ブート・ローダGRUBの設定ファイル
「/etc/grub.conf」ファイルの内容

 このGRUBについての各種設定は「/etc/grub.conf」ファイル※1に記述されている(例1)。「/etc/grub.conf」ファイルの内容は、GRUBの全般的な設定を記述する部分(例1-1)と、GRUBから起動させるOSについての情報を記述する部分(例1-2、3)で構成されている。
 GRUBの全般的な設定には、標準で起動させるOS(例1-4)やOS選択画面を表示させておく時間(例1-5)、OS選択画面の背景に表示させる画像ファイル(例1-6)などを指定する。 例1-2、3のように、起動させるOSが2つ設定されている場合は、OS選択画面に2つのOSの名称が表示されるようになる。その際に表示されるOSの名称は、「title」項目に記述されている(例1-7)。
 また、例1-9の「kernel」項目にはカーネルのパスとカーネル・オプション※2が記述され、例1-10の「initrd」項目にはinitrdファイル※3のパスが記述されている。なお、「kernel」項目の前にある「root」項目には、カーネルやinitrdファイルが格納されているパーティションが記述されている(例1-8)。ちなみに、GRUBでは、パーティションを独自の表記方法で指定する。例えば、1台目のIDEハードディスクの最初のパーティションは、Linuxシステムでは「/dev/hda1」と表記するが、GRUBでは「(hd0,0)」と表記する。また、2台目のハードディスクの2番目のパーティションは、Linuxでは「/dev/hdb2」、GRUBでは「(hd1,1)」というように表記される。
 なお、この「root」項目に指定するパーティションは、Linuxのルート(/)パーティション(/ディレクトリのあるパーティション)とは関係ないので注意されたい。Linuxの/パーティションの場所を示しているのは、「kernel」項目(例1-9)の「root= /dev/hda2」という部分である。

例1:「/etc/grub.conf」の内容例(Red Hat Linux 9の場合)

default=0 ←(4)
timeout=10 ←(5) (1)
splashimage=(hd0,0)/grub/splash.xpm.gz ←(6)

title Red Hat Linux (2.4.20-18.9) ←(7)
root (hd0,0) ←(8)
kernel /vmlinuz-2.4.20-18.9 ro root=/dev/hda2 ←(9) (2)
initrd /initrd-2.4.20-18.9.img ←(10)

title Red Hat Linux (2.4.20-8)
root (hd0,0)
kernel /vmlinuz-2.4.20-8 ro root=/dev/hda2 (3)
initrd /initrd-2.4.20-8.img



(1)GRUBの全般的な設定 (2)OS選択画面で1番目に表示されるOSの情報 (3)OS選択画面で2番目に表示されるOSの情報 (4)標準で起動させるOS(「0」は、設定ファイル内で1番目に定義されているOSを指す。この例の場合は、GRUBの起動時に例1-2のOSが選択された状態になる) (5)OSの起動を開始するまでの時間(秒単位で指定。OS選択画面でユーザーが何も操作しなかった場合、指定した秒数が経過すると例1-4の「default」項目に指定されているOSが起動する) (6)OS選択画面の背景に表示される画像ファイル (7)OS選択画面に表示されるOSの名称 (8)Linuxの起動に必要なファイル(例1-9、例1-10)が格納されたパーティション (9)LinuxカーネルのファイルのパスとLinuxの起動時に設定されるカーネル・オプション (10)initrdファイルのパス

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※1 Red Hat Linuxの場合、GRUBの設定ファイルの本体は「/boot/grub/grub.conf」であり、「/etc/grub.conf」ファイルは「/boot/grub/grub.conf」のシンボリック・リンクとなっている。
※2 カーネルのさまざまな機能を設定するためのオプション。
※3 Linuxを起動する際に最低限必要とされるデバイス・ドライバなどのファイルが格納されたファイル。